省エネ関連
白熱灯と蛍光灯の違いを比較!それぞれの利点について
2018-08-01
カテゴリ:省エネ計算[照明]
白熱灯と蛍光灯、どちらも多くの施設で用いられていた照明の種類ですが、その違いをご存知でしょうか。
見た目の違いは分かるものの、仕組みや性能の違いまでは知らないという方も多いと思います。
そこで今回は、白熱灯と蛍光灯の違いについて解説します。
■仕組みの違い
白熱灯と蛍光灯は、同じ電気を使った照明器具ではありますが、その仕組みは全く異なります。
具体的には、白熱灯は電気をフィラメントの部分に流し、それが熱を持って輻射の作用によって発光する仕組みをもとに作られています。
そのため、明かりのもとは電気による発熱です。
一方で、蛍光灯はアルゴンガスと極少量の水銀が閉じ込められたガラス管の中に電気を流して、電子と原子の衝突によって起こる放電の現象をもとに作られています。
熱は副次的にしか発生せず、主な明かりの元は放電です。
このように白熱灯と蛍光灯では明かりを生じさせる仕組みが全く異なっているのです。
■エネルギー効率が良い蛍光灯
明かりを生じる仕組みが異なっていたように、それぞれ性能にも違いがあります。
白熱灯はフィラメントと呼ばれる抵抗体に電気を流し、その際熱を持つと同時に発光するその光を使って照明を作っているため、大量の熱を発生するのが特徴です。
発光の際にエネルギーが熱によって消費されることを熱損失と言いますが、白熱灯ではこの熱損失が90%近くもあります。
つまり、100の電気を流した場合の90は熱によって失われているということなのです。
一方の蛍光灯は、電子と原子が衝突した際の放電によって照明の効果を果たしているため、熱は放電によって生まれた分しか逃げていきません。
放電によって生まれる熱も少なからずあるため、つけ続けていると熱くなりますが、熱損失の割合はおよそ75%です。
まだまだ高い損失の割合ですが、蛍光灯と発熱灯を比較すると、エネルギー効率の点では蛍光灯の方が良いということになります。
■白熱灯の優れた点
白熱灯のフィラメントは金属でできているため、目に見えるようなスピードで体積が減っていくことはありませんが、それでも真空状態で熱を帯びることで昇華し、少しずつ消耗していきます。
平均寿命は1000時間と蛍光灯より短いです。
しかし、ものを色鮮やかで自然な色に見せる演色性の点では優れています。
白熱灯は柔らかな光でものの持つ本来の色を映し出すことができるため、光をあてても自然な印象を与えるのです。
■まとめ
白熱灯と蛍光灯は似ているようですが、仕組みも特徴も全く違う照明です。
今では白熱灯と蛍光灯は国内主要メーカーでは生産終了が決まっており、2019年3月にはほとんどがLEDなど新たな照明器具に代替されます。
白熱灯、蛍光灯のように様々な改善がされており、今後もより良い照明の開発に期待しましょう。